中島義道『私の嫌いな10の言葉』

私の嫌いな10の言葉 (新潮文庫)

私の嫌いな10の言葉 (新潮文庫)

俺はもっともらしい言葉とかカタチだけとか「空気」が大嫌いだ。だからこの本にある事に賛同出来る事も多い。
しかし自分が無意識にふるっていた暴力にも気づいた。その暴力はもちろん直接目に見えるものでは無いし、目に見えないものの中でも特に見えにくい。

静かなる傲慢、同調の圧力、
まあこうやって難しそうな言葉を並べるのももっともらしい言葉で偉そうに事を語るには役立つ。しかしそれは虚しい。

ホンネについての議論が良い。
建前が有ることが当たり前であると本音すら画一化する。建前は皆真面目で、無礼講では皆ハジけて「いなくてはならない」。
皆が不真面目で無くてはならないというのは大学生が特にかかりやすい病気だと思っているので、気をつけたいけど。

これと共通する事で俺が最近心掛けるのは「ベタ」を恐れないこと。ステレオタイプ的な行動(言動、服装、音楽…)だから避けるというのでは結局その価値観の奴隷である。自分が選択したものがたまたまベタなものであっても気にしないこと。あるいはたまたま規範からハズレる様なものであっても気にしないこと。
ベタとその逆なんて二項対立から抜け出して、メタになる。たぶん、その上にも色々あって結局自らの立ち位置について考える事は死ぬまで止めないとは思うのだが、とりあえず現状はそうする、という話。