大槻ケンヂ『オーケンののほほん日記ソリッド』

オーケンののほほん日記ソリッド (新潮文庫)

オーケンののほほん日記ソリッド (新潮文庫)

いきおいにのってもう一冊読んだ。
オーケンさんの95年から98年の日記。付録に82年16歳の頃と84年18歳の頃の日記。
サブカル、バンド、格闘技、オカルト、など解説がやたらと多いのも特徴だ。攻殻機動隊ほどではないが、空想科学読本ほどはあるかな。
ちょうど筋肉少女帯が休止するくらいまでの日記で、なんだかくらーい雰囲気が全体にただよっている感じ。当時、病を患っていたようで、そのこととロックと商業主義について考えすぎて、ちょっとキている感じの文章になっている。筋少が復活した今、オーケンさんがこれを読んだらどう思うのか気になるが本人は絶対読みたがらないだろうと思う。なんせこの本を出した時でさえ恥ずかしくて校正をしていないというのだから。
意外とロックに大してマジメなのだというのは本人も言っているし、俺もそう思う。だから悩むんだろうし、その悩みが作品に現れるオーケンは面白い。
自意識ゲームから抜け出せているようでいて抜け出せていない感じのオーケンさんを見て、あーあー俺もかー、となる。この人から如何に影響を受けているかを再確認。
オーケンさんはスナフキンの様な「のほほん」を目指している様だが、実際はなかなか難しい。そしてスナフキンが本当にのほほんなのかと考えるとそれも微妙な所である。
この人の真面目さというか、ひねくれているようでいて結構ホンキでロマンチストな所が好きだ。そりゃあもう吐き気がするほどに。