カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの妖女』

中学生のとき以来でSFと言われるモノを読んだ。シンプルに言うと、運命を知っている者と運命に翻弄される者のハナシ。その核だけでもとても面白くてガンガン読める。しかし戦争だとか宗教の力、家族の愛など含まれるテーマは多く、濃い。その要素がユーモアに包まれているので、あまり皮肉っぽくならないのがスゴイと思う。主人公のモデルがフランクリン・ルーズヴェルトであるとか、実在の事々に触れてはいるものの、とても強いフィクションの力がある作品だと思う。ココまで広がる想像力はうらやましい。