THE ALTERNETIVE JOY VOL.4に行ってきた。

山形、サンディニスタにて、友人が企画するライブイベントへ行ってきた。
BOLT STEIN/COLOR BLINDのスプリットとSTAND OUR GROUND 2008というコンピのレコ発。
出演バンドは11という事で、15時から22時までの長丁場だった。しかし、全体的にジャンルも偏っていなかったし、クオリティが高かったのであまり長くは感じなかったかな。
客入りが微妙だったのが惜しい。空いてるとライブ見るスペースでタバコ吸い出すヤツがいるのも嫌だった。他にスペースあるのに。
密閉空間から外に出たときに自分の体や服からタバコの匂いがするほどイヤな事は今の俺にとって他にあまりないのだ。気分の問題でもあるし、俺の場合は肌も弱いのでだいぶ効くんだよな。そもそも空気の悪い場所だから。

話がそれた。

各バンドの感想。順番ごとに。

Break of Chain

NYスタイルハードコア。仙台のバンド。男臭い。体育会系。ボーカルが巨漢。
ドラムがすげータイトでシンプル。あまり早くないテンポのツーバスの方がカッコよく聞かせるのって難しいと思う。
あと以前はギターソロがなかった気がするんだけど、今回のコンピに入っている曲かな?ギターソロがちらっと入っていて、新鮮でよかった。こういうバンドは頑固にギターソロを入れたがらないもんだけど、そこを脱した感じというか。

MUDDY BEACH

山形、新庄。USハードコア、ダメスラッシュメタルモーターヘッド、スリーピース。
あと前半にやってた曲にはメロディックハードコアとかパワーポップの香りもほんのり。
MCの不器用さやルックスなどの雰囲気から漂うダメ人間臭。
ボーカルのレミーぽいゆるさ。
なかなかたまらないごった煮感でした。良い感じに地方のバンドっぽい。

Strange Factory

福島。あんまりもさくない兄ちゃんたちによるD-BEAT、クラスト。オッサンがやっている以外のD-beatバンドって始めてみたかも。
ドラムがパワフル。

Stench Mass Genocide

山形。ギターの音色がユースクルーとかソッチぽい以外はオールドスクールなグラインド。
PAが悪いんだかボリューム的にそもそも問題があるのかわからないけど、ほとんどのバンドでドラムが聞こえにくかった。
そのためかブラストに入ると物足りなかったかも。
しかしそのヤケクソっぷりはすごくいい。
ボーカルがルックスに合わず太い声で声量多めなのはすごくポイント。あと芝居やってる人なのかな、ある曲のアタマに長めのパントマイムをやっていて、それがすごくうまかった。hear nothing,see nothing,say nothing.

REBORN

仙台。叙情ニュースクール?ちょっとよく分かんないけど、なんかヘヴィロック(笑)って感じだった。全員上手くて、曲がそこそこ練られているのはわかったけど、なんか凄くヌルかった。多分、他が結構いいバンドだったせいかも。

KORRUPTION

スリーピースのウッドベース入りグラインド。「世界最速のサイコビリー」っていうのは半ば冗談だと思うけど、あれがサイコビリーだとするならば最速に違いない。
曲のクオリティもパフォーマンスもカッコよすぎたかな。後のバンドの心配をしてしまうほど。幸せな事にそれは杞憂で終わったけど。
ギターボーカルは如何にもなオールドスクールのグラインドリフ。ウッドベースのスラップ?がもはやブラストみたいな速さになっていて笑う。普通デスメタルはバスドラがベチベチいってるんだけど、このバンドはそれをウッドベースがやってる。
ドラムはブラストもタム回しもパワフルで速い。以前見たときは速めのパートが少しパワー不足かと思ったけど、今回はそうでもなかったかな。遅いパートはパワフルすぎて驚いた。
結構短いステージで本人はダメだったなあとか言ってたけど、冗談抜きでグラインドなら世界レベルだと思うんだけどな。あのレベルでダメだったというなら、調子良い時はどうなるか楽しみ。音源出すのを待つしかない。

4x4

フォーバイフォー。仙台。ニュースクールって言っていいのかな。
バンド全体のハイテンションな一体感とパフォーマンス、シンプルなリフ。うそ臭くない男臭さ、これぞハードコアって感じのステージングだった。
今まで結構見てるけど、その中では一番良かった。
音源だとなんかいまいちなのかホントに残念。仙台のバンドはそういうのが結構多い。
ライブも素敵だったし、でっかく4が二つ並んでいるTシャツが凄くカッコよかったので買おうと思ったけどサイズ無しで残念。

NAKED YEGGS

カッコいいおっさん不良によるカッコいいロック。スリーピースのベースボーカル。
なんでダサくならないのかホントに不思議だが、良い事に変わりはない。
ボーカルラインを抜いたらtheJAMみたいに聞こえそうだなと思ったが、あとは初期ルースターズとかの香り。歌謡曲がかった歌メロ。
ちょっと演技がかっている様な不良のオッサンベースボーカル。ひょろひょろとして妙なゆるーい雰囲気だけど、間違いなくワルなギター、カッコいい香田晋みたいなアンちゃん系のドラム。バランスの良い不良バンド。
テレキャスを指弾きという独特のギターはキャラに凄くあった音色だった。巧みに音量コントロールをして、テレキャスっぽいギャンギャン音も出してたのが凄い。
バンド全体でダイナミクスが凄く巧み、機材に頼らない音量コントロールがちゃんと出来る人達なんだな。いわゆるハードコアパンクってそこら辺を軽視しているバンドが多い気がする。
間違いなく楽器は上手いんだけどそれをあまり感じさせないでカッコいいステージングをするのってこれまた難しい。ヌルくならない秘訣だろうな。
速く弾ける=楽器上手い、とかそんなに単純じゃないよ。

途中、ちょっとだけ弾いたサマータイムブルースにスーダラ節を乗せてたのが面白かった。
あとは「おまんこー」ってベースとギターで数回言った末の「オマンコが下品だなんて言うんじゃねえよ。お前らはそっから出てきたんだからよ、俺もな。」場の雰囲気も相まってMCも良かった

BOLT STEIN

山形。オールドスクールデスメタル
このバンドも今まで数回見ているけど、今日はすごく良かった。
ドラムがそんなに上手くないからか全体的にはタイトと言えないんだけど、ストップ&ゴーとか曲終わりはバシッと決まってた。それが良かったのかもしれない。カーカスが失った何かがここにあるのかも、なんて思ったりして。

あとMCが面白すぎ。埼玉のLittle Bastardsといい、なんなんだ一体。
ベースの人が今回のスプリットを出すにあたってのコメントをする所で、感極まって泣いた。冗談抜きで鬼気迫るステージングを見せるこの人は純なハードコア馬鹿なんだろうなと思っていたが、アツさと不器用さを持つ男の涙はいつだって美しい。
そんないい雰囲気のコメントをしようとしてるのに、他二人で曲を始めちゃって、ベースはまた鬼の様な目つきになる。っていう笑い?の間もすごい。
一回目はギターの人の「めんどくさい」で中断されたので、結局「いいコメント」は三回に分けて行われた。

スリーピースのトリプルボーカル。というのもなんだか凄い。フロント二人のTシャツがButcherABCとAssuckだったのも見逃せない。なおドラムは半裸。

BOLT THROWERをリスペクトしているその名に現れているように、やはりミドルテンポの所がカッコいいバンド。ズンズン刻みながら、アタマを振っているパートの方がツービートの所より良く見えるのは、俺の根がメタル>ハードコアだからなのか?
このバンドに限らず、ハードコアバンドだと、ツービートの速いパートは、次のビートダウンのためのタメである、という感じがする。少なくともライブでは。



一番初めにも書いたが、約七時間というハードコアのライブにしては異様に長い今回のイベントだった。全体的なクオリティも高かった。しかし、そのクオリティの高さが若いバンドの少なさに起因するのであれば、少し問題の様な気もする。ある意味楽しみ方が分かっている人たちが多くて、うざいキッズがいないライブは確かに快適に見られるけれども、「次」が無いのであればそれはさびしい。
俺も客として行った身ではあるけれど、半ば身内みたいなもので。身内だから今回のイベントが良かったという感想を持ったというんじゃないハズだ、と思いたいのだ。
だが、ある程度の田舎に新しい客を根付かせるためにはライブハウス以外でも繋がりの作れる「場」が必要な気もする。