ヘルマン・ヘッセ『クヌルプ』

クヌルプは放浪者。放蕩者。
何かしらの社会的肩書きを持つわけではないが、知識や芸には秀でている。魅力的で愛されている。ゆるふわ愛され放浪者。

クヌルプが肺の病は倒れそうな時、回想する。故郷、友人、女の子。実際の故郷に戻ってはいるが心の中は回想。
その気持ち良く分かる。実際の風景などと言っても言葉による象徴で私は世界を認識してるのであって、過去を思い出す回想といまいち区別が付かない。「今」の認識は既に象徴になってしまうから。世界は混ざる。

最後は神との対話。人生まあよかったかもな、という肯定の姿勢に読めるかな。

なかなかクヌルプという人物に憧れる所があるのだが、そんなことよりも「くぬるぷ」をあらたな擬音として「くぱぁ」の様に浸透させたいと考える自分がいて、俺の思考なんてこのくらいのもんなんだな、と思う。
まあ、別にそれでいい。