塩野七生『再び男たちへ』と帽子について。

昨日書いた『男たちへ』は結構「男性」について書いた文章が多かったのだが、この本ではもう少し広く政治や思想に触れながら男女を語る。というより、直接的に男性を見る目というのは文書にはほとんど見られない。この本に続編っぽいタイトルをつけてしまうのはちょっとどうかと思う。

帽子が好きな自分にとっては58章「帽子の愉しさ」が特に参考になった。章がやたらと多いのは、一章が三ページほどの短い文章で構成されているからである。
男の帽子は室内では取るに決まっている、とある。日本だと、室内では靴を脱ぐから。
基本的には賛成だが、大学という空間は微妙なのである。室内ではあるが、靴を脱がないからだ。だから食事と授業中、教授と会う時は脱帽するが、それ以外は被ったままだ。だから何というワケではないが、毎日帽子を被るものとしては気になる事柄だ。

そういえば起きがけの髪型がいいな、とたまたま思ったことがあって、帽子を被らずに大学へ行ったことがあった。その時は大学内のコンビニのおばさんに「あれ、今日帽子忘れたの?」と言われたのである。コンビニで脱帽することはないから、あの店員は脱帽した状態を見たことがなかった訳だ。