原作・久住昌之,作画・谷口ジロー『孤独のグルメ』

孤独のグルメ 【新装版】

孤独のグルメ 【新装版】

ついに読んだ。
ハードボイルド食事漫画。
作画はよくあるサラリーマンマンガ風に見えるけど描写が本当に細かい。
背景も素晴らしく綺麗。本当によく描けていると思うのは一人で飯屋に入った時の妙な自意識混じりの視線。気付きの目線が特徴的なのだ。
そして料理はうまそうに描いてあるし、心理描写は細かい。

妙な言葉のチョイスが面白さのキモかな。巻末の対談によると原作から言い回しを変えていないという。なんだがハードボイルドと言いきってしまうのがもったいないような、アンビバレントな感情に包まれるマンガなのだ。
毎回8ページくらいでテンポよく進むし、一応オチは付いている。のだが毎回変な〆方なもんだから、読者の私には泣いたり笑ったり大変な情動が起きる。
単独行動というか一人飯屋が好きな者として大いに共感する所もある。

多くの点に置いて文句の付け所が無い。だが、言いたい事はある。もっと読みたい。