大槻ケンヂ「オーケンの散歩マン旅マン」

のほほんとした旅エッセイ。オーケンさんらしく映画やロック小話を交えつつ、一人旅に一人でツっこむ。
久々に読んだら俺が如何にこの人から影響を受けているかを確認することになった。物事の面白がり方、趣味興味考え方。

高校の時は自分の名字と同じ名を持つ川の脇でオーケンのエッセイをよく読んだ。橋の下にある珍走の落書き、車で来ていて休んでいる人との妙な距離感(「あんたも行く場所がないのか?」)
今思うと、それを楽しんでしまうのが既にオーケン的な状況かもしれない。
そしてオーケンが自分の散歩と読んだ本を結び付けて語るのと同じく、俺も自分の散歩とオーケンの本について語る。

読んでいて何度も笑った。今スゴく気分が良い。
一番笑った下りは、ライブに来た友人の祖母の話。

「はあ、うちのバンド音でかいんで、うるさかったでしょう?」
「へっへ、大丈夫ですよ。空襲に比べれば何てことはないですよ」

このギャグともシリアスともくくりきれない妙なズッコケ感がたまらない。