不審者は誰だ!?

今日の夕方、大学内のお気に入りの場所で本を読んでいた。
廊下にあるふかふかソファである。廊下なので人通りが多いのが難点だが、遅い時間ならそうでもない。
あと学内の廊下は人が通るとセンサーで電気が付くようになっているので、ソファに座っていると何分かごとに電気が消えてしまう。それもマイナスポイントかもしれないが、座ったままブンと大きく手を振ると電気が付くのは魔法みたいで楽しい。
少しボオっとしながら本を読みたい時はソコに行くようにしている。

20時ころ、近くにあるドアのセンサーがふぁんふぁんとなった。よくあることなので、放置すれば収まるかと思ったが、なかなか静まらない。原因は、前に通った人がドアを締め切っていなかったことだった。

しばらくしてそのドアから中に人が入ってきた。なんとなくそっちを見た。あちらから「こんばんは。」ぼおっとしていたので、軽く会釈をするだけになってしまった。
そしたらロボットの様な言い方で「挨拶がなければ、不審者はお前の方だー」と言い残し、彼は階段を登っていった。
足音が聞こえなくなってくる程度に階段を登ったと思われる時には「不審者認定、不審者認定」との独り言が聞こえた。表記としては「フシンシャニンテイ、フシンシャニンテイ」の方がしっくりくる。

短髪にしたのがそのまま伸びたようなオタクふうマッシュルームふうの髪型、古臭いデカレンズのめがね、青いシャツ。
あの格好で、日本語が不自由。アジア人の先生だろうか?いや、そうは思いたくない。留学生だろうか?いや、そうも思いたくない。じゃあフシンシャだろうか、多分そうだろう。出来ればそうであって欲しい。
不審者が大学に入ってくるという事は嫌だが、それよりあんなのが大学に所属していてほしくないという思いの方が大きい。

挨拶がなければ不審者はお前の方、という言い方は発言者が不審者であることを前提にした言葉であるようにも思える。

しばらく考えた後、納得が行かなくなり階段を登って少し周りを見たが、誰もいない。顔を見たことが無い中国人の先生の部屋に明かりが付いていたので近くに行ってみたが、聴こえてきた声は先ほどのロボットとは大分違うものだった。疑ってゴメンなさい。と一応ココロの中で謝っておく。

なんだったんだろう、ホントに。